パーミッションの操作 のバックアップソース(No.2)

UNIX系OSの大切な概念に,パーミッション(アクセス権限)というものがあります.これはファイルの「所有者」,「グループ」,「その他」という三つの属性のユーザごとに,「読み込み」,「書き込み」,「実行」をそれぞれ別々に指定するというものです.このように細かな設定ができることが,セキュリティの強化に一役かっています.パーミッションを変更するためのコマンドが,chmod(change mode)です.


* パーミッションの表記法 [#y7f295fa]

最初に,パーミッションの表記法を知っておく必要があります.パーミッションはつぎのようにアルファベット1文字で表されます.

|~意味|~シンボル|
|読み込み|r|
|書き込み|w|
|実行|x|
|権限なし|-|

ファイルリストを表示するコマンドlsに「-l」オプションを付けて

 $ ls -l

とすると,つぎのようにパーミッション情報が最初の10文字に表示されます.

 -rw-r--r--    1 foo      foo          8245 Sep  3 23:05 chmod.html
 -rw-r--r--    1 foo      foo          6832 Sep  3 22:39 compress.html
 -rw-r--r--    1 foo      foo          6276 Aug 10 00:25 file.html
 lrwxrwxrwx    1 foo      foo            13 Sep  4 00:08 index.html -> ../index.html
 -rw-r--r--    1 foo      foo          3436 Aug 10 00:25 nkf.html
 drwxr-xr-x    2 foo      foo          4096 Sep  3 23:58 src/

ここで先頭の1文字はファイルの種類,続く9文字は3文字ごとに「所有者」,「グループ」,「その他」のユーザ別パーミッションを表しています.ファイルの種類とは「ファイル」,「ディレクトリ」,「シンボリックリンク」の3種類で,その表記は

|~意味|~シンボル|
|ファイル|-|
|ディレクトリ|d|
|シンボリックリンク|l|

となっています.たとえば,上の出力の一行目のファイルchmod.htmlは

ファイルの種類	所有者	グループ	その他
-
ファイル 	rw-
読み込み,書き込み可能 	r--
読み込み可能 	r--
読み込み可能

というパーミッションだと分かります.同様に一番下の行のsrcというやつは
ファイルの種類	所有者	グループ	その他
d
ディレクトリ 	rwx
読み込み,書き込み,実行可能 	r-x
読み込み,実行可能 	r-x
読み込み,実行可能

であると読み取ることができます.ディレクトリにおいて「実行可能」とは,「そのディレクトリに移動できる」を意味します.
数値での表記

パーミッションは数値で表すこともできます. CGIを設置したことがある人なら,「なになにのパーミッションは755にしてください」などの説明を読んだことがあるでしょう.この3桁の数字がパーミッションを表しています.

読み込み,書き込み,実行には以下の数値が割り当てられています.
意味	シンボル	数値
読み込み	r	4
書き込み	w	2
実行	x	1
権限なし	-	0

数値で表記する場合は,各ユーザごとにこれらの数値を足し合わせます.たとえば所有者の権限が rw- なら,4+2+0 で 6 となり,そして3桁の数字の3桁目が 6 と確定されます.2桁目はグループのパーミッション, 1桁目はその他のパーミッションです.したがって,
所有者	グループ	その他
rw-
読み込み,書き込み可能 	r--
読み込み可能 	r--
読み込み可能

は
所有者	グループ	その他
rw- = 4+2+0 = 6
読み込み,書き込み可能 	r-- = 4+0+0 = 4
読み込み可能 	r-- = 4+0+0 = 4
読み込み可能

すなわち 644 という数値表記になります.
パーミッションの変更
数値による操作

あるファイルのパーミッションを644に変更する場合,chmod コマンドは
$ chmod 644 ファイル名

のように使います.数値の部分でお好みのパーミッションを指定します.
$ chmod 644 ファイル名1 ファイル名2

のように複数のファイルを一度に指定することもできます.
シンボルによる操作

また,数値の代わりにシンボルを使うこともできます.ユーザのシンボルは
意味	シンボル
所有者	u
グループ	g
その他	o

となっています.たとえば所有者(u)に実行権限(x)を付加する(+)場合は
$ chmod u+x ファイル名

などとし,所有者(u)に実行権限(x)を付加し,かつグループ(g)とその他(o)ユーザには全ての権限(rwx)を与えない(-)ようにするには
$ chmod u+x,go-rwx ファイル名

などとします.
再帰的に適用

chmodコマンドに「-R」オプションを付けると,あるディレクトリ(サブディレクトリ含む)にあるすべてのファイル,ディレクトリ,シンボリックリンクを対象に操作することができます.たとえば
$ chmod -R 700 ディレクトリ名

などのように使います.
Windowsとの連携例

Windowsにはパーミッションという概念がありません.ですから,Windowsのファイルシステムはパーミッションの情報を保持できません.いったんFATやNTFSなどのファイルシステムに Linuxでつくったファイルやディレクトリを保存してしまうと,再びLinux側に移してもパーミッション情報が失われ,すべて775になってしまいます.

すべてのファイルに実行権限が付くことになり,これでは困ります.パーミッションの再設定を行うわけですが,一つずつchmodコマンドを打っていたのでは大変です.カレントディレクトリ以下のすべてのファイルのパーミッションを644に変更するには,つぎのようにfindと組み合わせてchmodを使います.
$ find ./ -type f | xargs chmod 644

これは,まず「find ./ -type f」でカレントディレクトリ以下のファイル名をすべて探し,その結果をパイプで「xargs」に渡して検索結果の一覧を作成し,「chmod 644」に渡して変更を適用させています.「chmod -R」を使わずに「-type f」でファイルに限定しているのは,「chmod -R」ではディレクトリまで644にしてしまい,そのディレクトリに移動できなくなるからです.

また,ファイルが少ない場合や拡張子が限定されている場合は
$ chmod 644 *.png *.html

などのようにワイルドカードを利用するといいでしょう.
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